文京区の池

湯島聖天の放生池と「柳の井」

 

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 所在地:文京区湯島3-32-4

 湯島天神の男坂下にあるのが湯島聖天・心城院(天台宗)です。
 元禄7(1694)年、湯島天神の別当寺・喜見院の第三世宥海大僧都が湯島天神境内にあった宝珠弁財天堂に菅原道真(=天神さま)と縁の深い大聖歓喜天(聖天さま)を奉安したのが始まりで、本尊の聖天は比叡山延暦寺から勧請された慈覚大師作と伝えられています。
 喜見院は明治の神仏分離令により廃寺となりましたが、聖天堂は湯島天神との関係を断ったうえで存続し、心城院と名を改めて現在に至っています。
 境内には宝珠弁財天の放生池があります。「江戸砂子にいう。此所の池は長井実盛(のちに斉藤別当実盛になる)庭前の池と伝ふ。昔は余程の池なりしを近世其の形のみ少しばかり残りたり」と記され、昔は太鼓橋が架かるほどの大きな池であったようです。当時から病気平癒などの祈願で縁起のよい亀を放す習慣があったそうです。
 その後、都市化により池は失われましたが、復活を望む声が多く寄せられ、平成23年に「心」の字を模した心字池が造られ、再び亀が放されたということです。
 小さな池ではありますが、太鼓橋も架かり、亀や金魚、鯉などが泳いでいます。

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 境内にはほかに江戸の名水として知られる「柳の井」があります。この水で髪を洗えば美髪・厄除けのご利益があるとされ、また関東大震災の時には湯島天神境内に避難した多くの罹災者の生命を守った唯一の水として、当時の東京市長から感謝状を受けたということです。

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(柳の井)

 境内にはまた水琴窟もあります。
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湯島天神の池

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所在地:文京区湯島3-30-1

 毎年数多くの受験生が合格祈願に参拝する湯島天神。正式には湯島天満宮といいます。祭神は天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)と天神様こと菅原道真です。
 社伝によれば雄略天皇2年(458)年に勅命により天之手力雄命を祀って創建されたということですが、南北朝時代の正平10(1355)年に郷民が菅原道真を合わせて祀り、文明10(1478)年に大田道灌が再興したといいます。5世紀創建説はともかく、それなりに歴史のある神社であることは間違いなく、徳川家康も厚く崇敬し、学者や文人も多く参拝しました。
 現在は学問の神様として、また梅の名所としても有名な湯島天神ですが、その境内に池があります。恐らく、さほど由緒のある池ではないと思われますが、池のほとりに泉鏡花の筆塚が立っています。これは当社を舞台にした泉鏡花の小説『婦系図』にちなんだもので、昭和17年に建立されたものです。

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 参拝時、猿回しが行われていました。

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東京都戦没者霊苑の池

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所在地:文京区春日1-14-4

 前記事で紹介した礫川公園の背後の台地上に東京都戦没者霊苑があります。戦前は陸軍工科学校のあった場所で、1931年の満州事変から1945年の敗戦までの16万人に及ぶ東京都の戦没者の霊を慰めるため、1960年に建設され、その後、1988年に現在のモダンなデザインに改築されました。

 池の中に立つ鎮魂碑の文字は当時の鈴木俊一都知事の揮毫、また碑文は文芸評論家の山本健吉氏によるものです(下写真)。

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(鎮魂碑の向こうは水のカーテンになっている)

 池や壁泉など清らかな水を多く用いているのは、空襲による炎の中で亡くなった方々の魂を鎮める意味があるのでしょう。

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 敷地内には、ほかにも金魚のいる池があり、そばに「民生委員・児童委員顕彰碑」が立ち、民生委員制度創設50周年にあたっての昭和天皇の「いそとせも へにけるものか このうへも さちうすき人を たすけよといのる」という御製が刻まれています。

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礫川公園の噴水池

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所在地:文京区春日1-15

 前記事で紹介した文京シビックセンター(区役所)の池はさほど面白いものではないのですが、それを補って余りあるのが千川通りをはさんだ向かい側にある文京区立礫川(れきせん)公園の噴水とカスケードです。

 礫川の礫とは小石のことで、つまり神田川の支流・小石川の別称です。現在の豊島区要町にある粟島神社の弁天池を水源とする谷端川の下流部が小石川で、千川とも呼ばれ、今の千川通りに沿う形で流れていました。現在は暗渠化され、下水道幹線になっています。

 礫川公園はその小石川右岸の台地斜面に造成された階段状の公園で、昔は陸軍の軍用地であったところです。

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 公園内には西洋風の噴水池、さらに奥にはブロンズ製の獅子の口から噴き出た水が落ちる階段状の滝(カスケード)があります。

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文京区役所の池

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所在地:文京区春日1-16-21

 東京23区の区役所の池や噴水をめぐるシリーズ、第11弾。23区でもとりわけ豪華な庁舎の文京区役所=文京シビックセンターです。といっても、池は写真の通り、味気ないものです。池に面してカフェがあり、テラス席は水上カフェ風になっています。

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本郷給水所公苑の池

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(地球儀のある西洋庭園)

所在地:文京区本郷2-7-13

 東京都水道局の本郷給水所は日本の近代水道が開設された明治31(1898)年から稼働する歴史のある給水所で、貯水槽上部の人工地盤を利用したのが本郷給水所公苑です。

 園内は武蔵野の自然を再現し、池やせせらぎのある和風庭園とバラ園に彫刻や地球儀などを配した西洋庭園に分かれています。

 池には水生植物が植えられ、鯉も泳いでいます。

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 また、東京都水道歴史館に隣接しており、その屋外展示として、昭和62年から平成元年にかけて地中から発掘された江戸時代の神田上水の石樋も移築復原されています。

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(井筒から湧き出た水が石樋の中を流れていく)

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鳩山会館の池

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所在地:文京区音羽1-7-1

 現在の鳩山由紀夫首相(1947‐)とその弟・邦夫氏(1948‐)まで4代にわたる政治家一家として知られる鳩山家の通称「音羽御殿」は由紀夫・邦夫兄弟の祖父にあたる鳩山一郎氏(1883-1959、1954‐56首相)が1924年に私邸として建てたもので、設計は友人の建築家・岡田信一郎氏によるものです。

 音羽の高台に立つ邸宅は現在は「鳩山会館」として一般公開されており(入館料500円)、僕が訪れたのが、鳩山政権誕生直後だったせいもあって、観光バスが来るほどの賑わいでした。支持率急落中の現在はどうか知りません。

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 御殿と呼ばれるほどのお屋敷なら当然庭に池があるはずだ、と予想して行ってみたわけですが、やっぱりありました。立派な錦鯉の泳ぐ池が…。鳩山家にシンボルでもあるハトの彫刻をあしらった池は段差を設けて、いくつかの区画に分けられ、それぞれに大きさの異なる鯉が泳いでいます。池畔には鳩山一郎氏の両親である和夫氏(1856-1911、衆議院議長)と春子夫人の銅像(朝倉文夫作)が立っています。

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(鳩山和夫・春子夫妻の像)

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(池の向こうに立つのは鳩山一郎像)

 戦後政治の舞台ともなった洋館には鳩山一族の記念の品々が展示され、庭園にはバラをはじめさまざまな花が咲き乱れ、それなりに見ごたえはありました。

 鳩山会館のある台地の下にはかつて神田川の支流・音羽川が流れており、その川跡に沿ってコンクリートで固められた崖が続き、今もあちこちでささやかな湧水を見ることができます。

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(台地の崖下に続く音羽川の川跡の道)

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(湧き水) 

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豊島岡墓地の湧水池

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所在地:文京区大塚5丁目

 豊島岡墓地は護国寺に隣接する皇族(天皇・皇后を除く)専用の墓地です。明治6(1873)年、明治天皇の第一皇子が死産した際に護国寺の所有地の一部を東京における皇族専用墓地としたのが始まりです。

 広大な敷地は鬱蒼とした小高い丘や、湧水によって形成された谷戸など起伏に富んだ地形です。湧水は今も健在のようで、護国寺との境界近くに小さな池がひっそりとあります。もちろん、一般人は立ち入ることができませんが、隣の護国寺の墓地のたまたま空いていた区画から塀越しに覗くことができました。もちろん、この区画にどなたかが埋葬されれば、そのような場所に立ち入るべきではないので、池を見ることもできなくなるかもしれません。

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須藤公園の池

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所在地:文京区千駄木3丁目

 地下鉄千代田線の千駄木駅からすぐ北西側にある須藤公園は元は松平備後守の下屋敷で、明治期に品川弥二郎、さらに実業家・須藤吉右衛門の所有となって、昭和8年に東京市に寄贈され、公園となりました。現在は文京区に移管されています。
 こじんまりとした公園ですが、台地の末端の斜面と低地からなり、起伏に富んでいます。クスノキなどの巨木も多く、よい雰囲気です。最高所の水源からは「須藤の滝」が落ち、渓流となって、低地の池に注いでいます。滝は人工水源ですが、けっこうな標高差を何段にもなって落下し、なかなか本格的です。また、滝の下の渓流部分には湧水も見られます。池の中の島には弁財天が祀られ、また池を取り巻くように藤棚が作られています。
 2008年2月に訪れた時は池にオシドリ♂が1羽いました。

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小石川後楽園の池

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所在地:文京区後楽1丁目

 東京ドームの隣にある後楽園は黄門様こと徳川光圀が完成させた江戸初期の回遊式築山泉水庭園で、特別史跡・特別名勝に指定されています。円月橋、西湖堤など光圀の中国趣味が色濃く反映した庭園ですが、同時に京都や木曽など日本の風景も取り入れられ、園内に一歩足を踏み入れると、都心にいるとは思えない非日常的な時間を過ごすことができます(時々、近所の遊園地のジェットコースターから女の子の悲鳴が聞こえてくるのが玉に瑕ですが…)。
 池の水は元来は江戸の町に水を供給していた神田上水から引かれ、渓流や滝など美しい水の風景を生み出しています。また、庭園の東寄りには書院の跡があり、ここにも池があります(下写真)。
 梅、桜、つつじ、藤、花菖蒲、蓮、紅葉などが四季折々に庭園を彩り、多くの人が訪れます。
 入園料一般300円。

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