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宇奈根排水樋管

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所在地:世田谷区宇奈根2丁目

 こんな小さな水門(樋管)まで取り上げていると、キリがないのですが、たまたま通りかかって写真を撮ってしまったので紹介します。

 世田谷区宇奈根の多摩川左岸にある樋管が宇奈根排水樋管です。東京都の下水道局が管理していて、下水の多摩川への排水路に設置されています。といっても、世田谷区の場合、下水道は北東部が汚水と雨水を一緒に流す合流式なのに対して、南西部(野川・仙川・谷戸川・谷沢川流域)は汚水と雨水を別々に流す分流式であり、ここで多摩川に放流されるのは基本的に雨水および地下水のみです(ただし、道路の側溝はすべて雨水幹線に通じているので、路上で洗車などすると、その汚水はすべて未処理のまま河川に流入することになります)。

 とにかく、ここは下水道の「宇奈根雨水幹線」の排水路になっていますが、この下水道は昔の宇奈根川(町田川)の跡を利用していて、現在は緑道化されています。この川は江戸初期に六郷用水が開削されるまでの野川の下流部にあたり、野川の水が六郷用水に取り込まれて分断されてからは、狛江の泉龍寺の弁天池(小田急線狛江駅北口に現存)などからの水を集めて流れていました。昔の野川はおそらくこのあたり(世田谷区宇奈根付近)で多摩川に合流していたのでしょう。

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(旧宇奈根川跡の緑道)

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(同じ地点から多摩川堤防を見る。堤内ゲートがある)

 ゲートは多摩川堤防の内側(町側)と外側(川側)にそれぞれ設置されています。多摩川の増水時などに閉鎖されて逆流を阻止するのが役割だと思われます。

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 ちなみにゲートの水位表示はA.P表示です。「A.P.」はArakawa Peilの略で、明治6年から12年にかけて、隅田川(当時の荒川)河口、霊岸島で観測した東京湾の干潮時の最低水位をゼロとする水位の基準です。この樋門の下部に黄色いラインが引かれ、「AP15.13(メートル)」と記され(下写真)、反対側に「TP14.00」と併記されています。T.P.はTokyo Peilの略で、東京湾の平均潮位をゼロとする高さの基準で、いわゆる海抜高度(標高)のことです。A.P.0メートル=T.P.-1.13メートル(正確には-1.1344m)なので、このような関係になるわけです。

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 ついでに紹介しておきますが、この樋管のすぐ下流に土台がレンガ造りの珍しい送電線鉄塔があり、そちら方面の愛好家の間ではかなり有名みたいです。実は僕もけっこう好きだったりしますが…。

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