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小溜井引入水門と葛西第一水門

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(正面が小溜井引入水門、左が葛西第一水門)

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(北から流れ込む葛西用水。つくばエクスプレスの高架が見える) 

所在地:足立区神明3丁目・六木3丁目

 前記事で紹介した神明水の森公園・風車広場からさらに垳川沿いの神明六木遊歩道を行くと、まもなく垳川は北から流れてきた葛西用水と交差します。

 葛西用水は武蔵東部地域の灌漑のために江戸時代初期の万治3(1660)年から開削された農業用水路で、元来は利根川から取水し、古利根川や元荒川などの流路も利用して今の埼玉県から東京都へと流れていました。北から南へ流れる葛西用水が西から東へ流れる垳川とこの地点で交差するわけです。ただ、垳川は江戸初期の段階ですでに西端の綾瀬川との接続部が締め切られており、葛西用水以西は溜池として利用され、小溜井と呼ばれていました。さらに垳川東端の中川との接続部も江戸中期の1729年には遮断され、それ以来、垳川は完全に川としての機能を失います。つまり、この時点で葛西用水との交差点を境に垳川は東西とも溜池となったわけです(実際、垳川はこの葛西用水との交差地点が最も標高が高いそうです)。

 その後、設置時期は不明ですが、葛西用水と小溜井(垳川西部)との接続部、垳川と葛西用水下流側との接続部、さらに葛西用水と垳川東部との接続部にそれぞれ水門が設置されました。これらが小溜井引入水門、葛西第一水門、葛西第二水門です。大雨で葛西用水が増水した時、葛西第一水門によって下流側(都内側)の流量を調節し、余分な水は東西の垳川に溜め、排水施設を通じて中川と綾瀬川に放流していたようです。

 このうち小溜井引入水門は常時開放されており、事実上、役目は終えていると思われ、いずれ撤去する話もあるようです。水門と並行して架かる橋には小溜井引入水門橋という名前が付いていて、これが東京都足立区と埼玉県八潮市の境界になっています。

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(小溜井引入水門) 

 この地点に現存するもうひとつの水門は垳川と葛西用水下流側(足立区側)との接続点に設置された葛西第一水門です。現在はこの水門は完全に閉鎖され、親水水路となった都内側の葛西用水路には上流からは一切水が通じていません。現在の葛西用水親水水路には花畑運河の水を浄化した上で流しています。

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(右が小溜井引入水門、奥が葛西第一水門)

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(葛西第一水門以南の葛西用水は親水水路となっている) 

 もうひとつの葛西第二水門はすでに撤去され、現在は跡形もありません。恐らく水門が存在したと思われる地点には現在、2車線の「ふれあい桜橋」(2005年完成)が架かっています。

 なお、この付近の葛西用水は流域の都市化により農業用水としての役目はほぼ失われ、生活廃水の混入により、垳川とともに水質悪化が問題となっています。

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(水門付近で見かけたジョウビタキ♂)

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