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2010年12月

都立中川公園(B地区)の池

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所在地:足立区中川5丁目

 都立中川公園は東京都の中川水再生センター(要するに下水処理場)の敷地を利用して造成された緑地公園で、下水処理施設の上部の人工地盤を利用したA地区と、中川に近い下水道局用地の一部を利用したB地区に分かれます。そして、B地区内に小さな池がぽつんとあります。水再生センターの敷地を利用した公園には、すでに紹介した荒川自然公園(三河島水再生センター)や小菅東スポーツ公園(小菅水再生センター)などわりと立派な池のある公園もありますが、中川公園には小さな池が一応ある、といった程度です。水辺の植物が生い茂っていて、多少の野趣は感じさせますが、もう少し大きな池があってもいいのでは、と池探訪者としては思ってしまいます。

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新大場川水門

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所在地:葛飾区西水元4丁目

 前記事で紹介した垳川排水機場と中川をはさんで向き合うように存在する大きな水門が新大場川水門です。大場川が中川に合流する地点に昭和55(1980)年に設置された径間20メートル×2連のローラーゲート式水門です。名称が新大場川水門なのは、大場川上流の三郷放水路との合流点(交差点)にすでに大場川水門が存在したため、こちらには「新」が付いたわけです。

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 水門内には大場川マリーナなどの船の係留施設があり、小型船舶が水門を通過するシーンもたびたび見られます。また、中川の大場川水門より少し上流右岸(埼玉県八潮市)には三愛石油の東京オイルターミナルがあり、東京湾からここまで小型タンカーもやってきます。

 なお、大場川のうち、現在の中川合流点から1キロ余り上流までの区間(すでに紹介した水元公園西北端の閘門橋付近まで)は中川の旧流路で、中川の流路変更によって大場川の一部に組み込まれた区間で、東京都葛飾区と埼玉県三郷市の境界になっています。

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 また、遠い昔には綾瀬川の支流・毛長川~綾瀬川~垳川~大場川~水元公園・小合溜という連なりが一筋の流れであったと考えられ、現在の江戸川(=旧太日川=昔の渡良瀬川)に合流していた時期もあったようです。そして、このルートが昔の利根川(荒川もその支流だった頃)の旧河道だった可能性もあるようです。いぜれにせよ、この付近は東京湾との標高差が極めて少ない低地で、たびたび河川が氾濫し、そのたびに流路が変わるような土地だったのでしょう。当然ながら、この付近の中川も大場川も東京湾の潮の干満の影響を受ける感潮域です。

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垳川排水機場

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(足立区側から見た垳川排水機場)

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(中川の対岸から見た垳川排水機場のゲート)

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(垳川排水機場と稲荷下樋管が並んでいる)

所在地:埼玉県八潮市垳

 垳(がけ)川の東端、中川との接続点に昭和54(1979)年に完成したのが埼玉県の垳川排水機場です。かつての綾瀬川本流で、江戸初期に綾瀬川から切り離され、江戸中期の1729年には中川とも切り離されて、河川としての機能を失った垳川は中間部で北から合流する葛西用水路の溜池としての役割を果たしてきましたが、増水時には水害防止のため、綾瀬川や中川に排水する施設が設置されていました。そして、現在、その役目を一手に引き受けているのが埼玉県の管理する垳川排水機場です。5台のポンプで1秒間に40立方メートルの水を排水する能力を有しています。

 このあたりは垳川の幅も大きく広がり、冬にはカモ類やユリカモメなどが集まり、カワウやアオサギ、そしてなぜかアヒルも1羽見かけました。

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(アオサギ)

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(ユリカモメ) 

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(垳川にはなぜかアヒルもいる)

 排水機場のそばで、垳川の北側(八潮市側)の地域を縦横に走る水路(現状は用水路ではなく排水路でしょう)が合流しており、そこに水門もありますが、名称は不明です(下写真)。

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(八潮市側から合流する水路に設置された水門) 

 また、垳川排水機場の南側には中川と垳川をつなぐ稲荷下樋管があります。垳川の浄化用に中川の水を導水することもあるのでしょうか。中川に面した樋管ゲート(樋門)の操作室はなかなかかわいい感じで、ちょっと魅力的な物件です(?)。

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(垳川下流端にある稲荷下樋管。画面奥が中川)

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(稲荷下樋管ゲートの操作室。屋根にユリカモメ)

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(中川対岸には新大場川水門が見える)

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(中川対岸から見た稲荷下樋管)

 なお、稲荷下樋管のあるあたりが東京都と埼玉県の境界で、垳川側に標柱が立っています。埼玉県側の地名がかつては潮止村だったことが分かります(垳川排水機場のすぐ上流の中川に潮止橋が架かっていて、このあたりでもまだ中川は感潮域です)。

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小溜井引入水門と葛西第一水門

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(正面が小溜井引入水門、左が葛西第一水門)

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(北から流れ込む葛西用水。つくばエクスプレスの高架が見える) 

所在地:足立区神明3丁目・六木3丁目

 前記事で紹介した神明水の森公園・風車広場からさらに垳川沿いの神明六木遊歩道を行くと、まもなく垳川は北から流れてきた葛西用水と交差します。

 葛西用水は武蔵東部地域の灌漑のために江戸時代初期の万治3(1660)年から開削された農業用水路で、元来は利根川から取水し、古利根川や元荒川などの流路も利用して今の埼玉県から東京都へと流れていました。北から南へ流れる葛西用水が西から東へ流れる垳川とこの地点で交差するわけです。ただ、垳川は江戸初期の段階ですでに西端の綾瀬川との接続部が締め切られており、葛西用水以西は溜池として利用され、小溜井と呼ばれていました。さらに垳川東端の中川との接続部も江戸中期の1729年には遮断され、それ以来、垳川は完全に川としての機能を失います。つまり、この時点で葛西用水との交差点を境に垳川は東西とも溜池となったわけです(実際、垳川はこの葛西用水との交差地点が最も標高が高いそうです)。

 その後、設置時期は不明ですが、葛西用水と小溜井(垳川西部)との接続部、垳川と葛西用水下流側との接続部、さらに葛西用水と垳川東部との接続部にそれぞれ水門が設置されました。これらが小溜井引入水門、葛西第一水門、葛西第二水門です。大雨で葛西用水が増水した時、葛西第一水門によって下流側(都内側)の流量を調節し、余分な水は東西の垳川に溜め、排水施設を通じて中川と綾瀬川に放流していたようです。

 このうち小溜井引入水門は常時開放されており、事実上、役目は終えていると思われ、いずれ撤去する話もあるようです。水門と並行して架かる橋には小溜井引入水門橋という名前が付いていて、これが東京都足立区と埼玉県八潮市の境界になっています。

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(小溜井引入水門) 

 この地点に現存するもうひとつの水門は垳川と葛西用水下流側(足立区側)との接続点に設置された葛西第一水門です。現在はこの水門は完全に閉鎖され、親水水路となった都内側の葛西用水路には上流からは一切水が通じていません。現在の葛西用水親水水路には花畑運河の水を浄化した上で流しています。

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(右が小溜井引入水門、奥が葛西第一水門)

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(葛西第一水門以南の葛西用水は親水水路となっている) 

 もうひとつの葛西第二水門はすでに撤去され、現在は跡形もありません。恐らく水門が存在したと思われる地点には現在、2車線の「ふれあい桜橋」(2005年完成)が架かっています。

 なお、この付近の葛西用水は流域の都市化により農業用水としての役目はほぼ失われ、生活廃水の混入により、垳川とともに水質悪化が問題となっています。

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(水門付近で見かけたジョウビタキ♂)

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神明水の森公園(風車広場)の池

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(風車があった頃)

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(今は風車はない)

所在地:足立区神明3-29

  綾瀬川と中川を繋ぐように足立区北辺を流れる垳(がけ)川。前記事で紹介した平成泉橋からさらに東へ神明六木遊歩道を行くと、やがて神明水の森公園・風車広場があります。この公園には泉の広場より大きな池が水面を広げ、あずまやもあります。この池は水辺の植物が育ち、生き物が暮らせるようにとつくられたもので、かつては名前の通り園内に風車があり、この風車を動力として垳川の水を汲み上げ、いったん堤の土の中に浸透させ、浄化した上で池に注ぐ仕組みになっていましたが、いつのまにか風車が撤去されてしまいました。そのうち復活するのでしょうか?

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 ここではカワセミもたびたび見ることができます。

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神明水の森公園(泉の広場)の池と平成泉橋

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(泉の広場の池)

所在地:足立区神明3-13

 足立区と八潮市の間を流れる2.2キロの一級河川・垳(がけ)川は架かる橋が少ない川でもあり、両岸の地域を分断する存在でもありました。これは江戸時代以来、農業用水をめぐる争いが絶えなかった後遺症でもあるようなのですが、両岸とも宅地化が進み、垳川の農業用水としての機能も失われた現在、両岸を結ぶ交通の不便を解消すべく平成6年に完成したのが平成泉橋です。そして、この橋にはもう一つの機能が備わっています。水質悪化が深刻な垳川を浄化する目的で、橋の下から取水した水を地下の浄化施設で浄化し、その水を30分毎に約5分ほどの割合で橋の上からウォーターカーテンとして再び川に放流しているのです。ウォーターカーテンには落水と噴霧の2つのパターンがあるようです。この浄化施設には153万本ものヤクルトの空容器が用いられ、その表面に付着した微生物により汚れを分解し、さらに活性炭によって臭いを除去しているとのことです。ちなみにヤクルトの空容器を用いた水の浄化は都内の池では杉並区の妙正寺池や学習院の血洗いの池でも実施され、ほかにも全国各地の池や河川の浄化に利用され、効果を上げています。

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(平成泉橋)

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(橋の欄干にはカワセミの像がある)

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(30分ごとに見られる浄化水のウォーターカーテン)   

 浄化水は橋から川に落とされるだけでなく、橋の南側にある神明水の森公園・泉の広場の池にも注がれる仕組みになっています。この池には水生植物が植えられ、メダカが泳いでいます。

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(ウォーターカーテンと同時に公園にも水が流れ出す)

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(流れ下った水は池に注ぐ)

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