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柏の宮公園の池

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(日本庭園の池)

所在地:杉並区浜田山2-5

 京王井の頭線・浜田山駅の南方にある柏の宮公園は南側を流れる神田川に面した高台とその斜面、台地下の低地からなる公園で、元は旧日本興業銀行の総合グラウンドでした。その跡地を杉並区が買収し、防災公園として整備したものです。

 公園化に際しては延べ380人を超える区民が参加して話し合いを重ね、杉並の原風景を後世に伝えるべく、武蔵野の雑木林の保存・創出に加え、草地や疎林の広場、さまざまな動植物が観察できる水生生物の池(ビオトープ)、茶室のある日本庭園などから成る区立最大の防災公園が完成しました。

 そもそも、「柏の宮」の地名は室町時代、太田道灌がこの地に鎌倉鶴岡八幡宮の別殿(現在の下高井戸八幡神社)を柏木左右衛門に建立させたことに由来します。

 江戸時代には下高井戸八幡は「柏木之宮」と呼ばれ、この地域の地名も「柏之宮」となったようです。

 大正期には高井戸村の実業家・横倉善兵衛氏がこの地を整備して数寄屋を建て、「柏ノ宮園」と名づけて、文人墨客を招き、歌会、観月会などを催し、昭和初期には絵ハガキになるほどの名所となったそうです。

 戦後はこの一帯に企業や官庁のグラウンドが数多く造られ、この地も旧日本興業銀行の「柏の宮総合グラウンド」として利用されていましたが、近年、その跡地を杉並区が公園化し、一般に開放されるとともに、歴史のある旧地名(小字名)が公園の名称として末長く伝えられることになったわけです。

 さて、園内には台地上にビオトープの池があり、水生植物や湿性植物が植えられ、メダカなどが放されています。池の上をイトトンボやシオカラトンボ、ギンヤンマなどさまざまなトンボが飛び交い、盛んに産卵していました。水中にはたくさんのヤゴが棲んでいることでしょう。

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(ビオトープ)

 ビオトープから台地を下ると、田んぼと溜池があります。かつては神田川沿いにこのような水田が広がっていたものと思われます。

 溜池にはハスなどが植えられ、池畔にはミソハギなどが咲いていました。

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(田んぼと溜池)

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(溜池)

 公園の南西側の樹林が日本庭園となっていて、ここにも池があります。かつてはこの崖下に湧水の池があったそうですが、現在の水源は井戸水の汲み上げと思われます。斜面上に湧き出た水が流れ下って、池に注いでいます。

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(茶室のある日本庭園)

 池を見降ろす位置に立つ茶室は「林丘亭」といい、寛永年間に若狭小浜藩主・酒井忠勝が新宿区矢来町にあった酒井家下屋敷の池畔に小堀遠州に命じて作らせたものだといいます。3代将軍・家光も訪れたそうです。

 後に下屋敷跡の一部が旧興銀寮となり、昭和34年に当時の頭取が敷地内にあった茶室を現在地に移築復元したということです。また、公園化に際しても杉並区が改修を加えています。

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